ワ10000

ワ10000(4)-2・国鉄貨車のディテール

ワ10000形式の記事は今回を最後としたい。

各々の形式、大枠、ブレーキ図面を比較すると僅かな違いが見られる。

主な箇所は、
・ブレーキ棒、釣り位置の違い
・床板受の位置と形状の違い
・側ブレーキ軸の高さ
何れも僅かな違いであるため省略する。(寸法を比べるとわかる)
大きな寸法形状を下図に示す。
●Fig.-1 走り装置リベットの違い
通常撮影した形式写真では判りにくい。
2段リンク化されたワ10000はワ12000とほぼ同じといえる。(詳細寸法は不明)
1段リンク時の軸箱守リベット穴は塞がれていると思われる。※写真からはよくわからない。
なお、ワム90000形式でも同様の例が見られるが、当該形式の解説で取り上げたい。

Fig05

●Fig.-2 シリンダー、空気ダメと支持金具

シリンダー、空気ダメの支持金具を「黒塗り」とした。
ワ12000のシリンダーではアングルで支持されているがワ10000では幅広のt12鋼板で支持されている。
断面図では表現されていないが、空気ダメは何れの形式もアングルで支持されている。
僅かだが、シリンダー中心、水平テコの高さが異なる。10mmの差

Fig06



このほか僅かな差として、側ブレーキテコ守上端と中梁上端の高さが、22mm/27mmと5mmの差があるが、如何なる理由か解らない。
側ブレーキテコ守上端のレール面からの高さは両形式とも同じである。
つまり、中梁上端がワ12000のほうが5mm高い。
今回でワ10000、12000形式を完結する。
なお、解りにくい点や疑問点、記事中の誤りがあればご指摘ください。
別途お答えしたい。

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ワ10000(図面)・国鉄貨車のディテール

先週、「ワ10000(1段リンク)」のキットが届いた。
そういう私は蓋を開けただけで詳しくは見ていない。

この記事が完結してから吟味したいと思う。
それよりも仕掛かりを完成させることが先決であるが。
 さてここでひとつお話しておこう。
二軸貨車の走り装置は「2段リンク」式や「シュウ式」が一般的で、今回の1段リンクといわれるものは「リンク式」と呼称される。
一連の記事では「2段リンク」と差別化するため「1段リンク」と表記しているが、国鉄図面や形式図、教習用資料では「リンク式」というのが正しい表記である。
※以降の記事中では混乱を避けるため、「2段リンク、1段リンク」と表記する。

 ワ10000の項も本図面で概ね完結したいと思う。
なお、「ワ12000(標準図面)」の
・ワ10000台ワク(VA20383)
・ワ10000ブレーキ装置(VA20384)
で不備があったために差替を行った。
「ワ12000(標準図面)・国鉄貨車のディテール」
●ワ10000・台ワク(VA20346)
数ミリ程度の寸法不一致があるが、原図に従い表記している。
「1段リンク」新製時の図面である。お間違いないよう願いたい。
Va20346
●ワ10000・ブレーキ装置(VA20350)
不明箇所と不一致箇所があるが、原図に従い表記している。

Va20350

両形式の考察を、次の記事で解説する。

続く

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ワ10000(4)-1・国鉄貨車のディテール

前回の考察ではワ10000/12000の違い、側ブレーキテコと踏段について解りにくい点があった。
夫々の関係について再度図面を検討し、略図で解説する。
なお、「ワ12000(標準図面)・国鉄貨車のディテール」に「ワ12000・ブレーキ装置(VA20384)」を追加している。

「ワ12000(標準図面)・国鉄貨車のディテール」

●側ブレーキテコと踏段の位置関係
ワ12000では長軸の軸箱を避けるため、ブレーキテコが複雑に曲げられている。
また「図面VA20384」には示されていないが、下図に緩解位置を示している。
Fig04__

ワ12000では踏段を原形で描いている。(ワ12144外観写真参照)
ワ10000では原形と更新の両タイプを示している。
更新タイプが何時ごろ交換されたのかは不明である。
ワ10000のブレーキテコは複雑な曲線を含む形をしているが、平面的には軸箱を避ける曲げはない。
各形式の断面図で差を比べて頂きたい。

●「ワ12000・ブレーキ装置(VA20384)」を作図しての気付き
ワ10000形式の同図はまだ掲示していないが、VA20384の作図過程でいろいろ気付いた箇所がある。
長軸/短軸の違いだが、両者のシリンダー、空気だめ、テコ類の位置は概ね同じである。
各ブレーキ棒やテコ類は同一と言ってよいだろう。
・ワ10000では短軸=>側梁位置=>側ブレーキ軸が短い
・側ブレーキテコの軸箱を避ける変形(前出)はない。単純な形状。
・断面図のシリンダー、空気だめ位置はほとんど同じ

ただし、断面図で見ると「シリンダー、空気だめ、水平テコ」各々の装置を支持するアングルの形状は異なる。
写真で判断するのは非常に難しい。
ワ10000の同図が準備できてから比較検討したいと考える。
各図をご覧いただき、疑問点等あれば遠慮なくコメントください。

各形式の図面を単に比較しても違いは判断し辛い。
トレースをする作業では、各部品図を元に作図しながら相互の納まりを確認し、元図と寸法を確認しながらくみ上げていく。
元図は手書き、トレースはCADの原寸作図のため、何箇所か一致しない寸法が見られた。水平で描かれている引き棒も微妙に角度が付く箇所も見られる。
 部品図のないものは他の形式のものから基本寸法を追いながら、推測で描いている。
ワ10000の図はそれほど時間を要しないと思われるが、もうしばらく時間をいただきたい。

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ワ10000(3)・考察編・国鉄貨車のディテール

廣瀬さんのコメントもあり、あらためて各形式の図面、写真を照合し図面を描いた。

13mmゲージは「禁断の世界」と表現されている方もあるように、正に禁断の領域に入ったと言わざるを得ない。
 ここからお話しすることは模型とは別に実物の構造の話であって、模型に持ち込むには各自の判断により実現されたい。
模型を論ずる場ではないことを予め了承願いたい。
今まで漠然として違いは理解していたが、そこには想定していない理由がありそうに感じた。
●ワ12000/ワ10000の相違点
(1)短軸、長軸による側梁位置と付属装置支持方法の違い
  a)側ブレーキ踏段形状と支持方法
  b)側ブレーキテコ守支持方法の違いと取付け位置
(2)1段/2段リンク、短軸/長軸、生い立ちによる軸箱守断面形状の違い
両形式の図面はもちろん、関連する他形式も含めて比べた。
●(1a)踏段形状と支持方法
ワ10000形式の場合
踏段は断面がアングル状で側梁から突き出したように支持されている。
原図(原型)では、アングルではなくフラットバーをカギ状に曲げたようになっていて、後述するワ12000の同様に踏段部は二又状になっている。
後年、アングル状に交換したものと思われる。
L013003a
ワ12000形式ではワ12354も同様にフラットバー状の踏段となっている。
原型と相似しているが、踏み段部に滑り止めの囲いが追加されている。
側梁裏面に固定されている。

B048008a

同様に、スム1形式の例を掲載する。(吹田貨車区技術資料から引用)

P001003

●(1b)側ブレーキテコ守支持方法、位置

ワ10000ではブラケットにより側梁から大きく突出している。

B066001a

ワ12000では、同じくブラケットによる支持であるが、突出は短い。
側ブレーキテコ守の位置が10000の場合は外寄り(妻方向)、12000では内よりに、すなわち側引戸レール終端より内側にあるかないかで判断できる。
このことから、側ブレーキテコは曲げ形状はもちろん、長さが異なることが判断できる。

B051009a

両者の違いを図に示す。(fig.-03)

Fig03

●軸箱守断面形状の違い
ワ10000形式の軸箱守、1枚の鉄板で厚みはない。B067005a

ワ12000形式では軸箱守に厚みが見られる。
鋼板をコの字型にプレスされている。

B048003a

登場時から2段リンク、長軸のワ12000形式、登場時1段リンクで後に2段リンクに改造されたワ10000形式でこのような違いが見られる。
また、原図を見るとその変遷を推測することができる。
次の図にそれぞれの相違を図示した。
なお、ワ10000形式に2段リンク後の寸法に不明な箇所がある。
今となっては改造図面も見ることはできない、また確かめようもない。

Fig02

●補足
一般的な1段リンク式では、軸箱の左右動(横動)は規制されている。
一方、2段リンクでは横動は規制されていない。
このことから軸箱守クツ、軸箱守の形状はことなるのは当然とである。
50mmセットバックしているのは、側梁中心に軸=バネ釣り=担バネの中心を揃えるための手段であると推測する。

●参考写真
吹田貨車区技術資料から、不鮮明であるがスキャンしたものを掲載する。
上記理由を含め、他形式の図面と照合した結果、「ワム23000」形式でもなく「ワ10000」でもない、 「ワム23000」形式(S13製~)の1段リンクであろう。(2016/09/25訂正)
右側4ツのリベットは引戸入口柱の受けである。(追記)

P001002


もう少し資料と照合したい。
・1段リンクである。
・長軸である。
・引戸入口柱の受けがあるため、有蓋車である。
・軸箱守が厚い。(ワム23000図面は薄い)
いじょうから形式不明である。(2016/09/25訂正)
このほかにも新しい情報が判明すれば追加していきたい。
ブレーキ装置図面、台枠図面(ワ10000)は準備でき次第追加する。

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ワ10000(2)・国鉄貨車のディテール

続いて下回りをご覧いただく。

●下回り全体(側ブレーキ、空気だめ側)
ワ12000に比べ奥まっているが、全体に凹凸が少ない。

B067006

●下回り全体(シリンダー側)
凹凸が少ないからか意外にあっさりしている。

B067005

●KDブレーキシリンダ
水平テコ側(自由端側)を見る。

B067009

シリンダー背面側(水平テコ固定端)を見る。
水平テコの固定端が確認できる。
側ブレーキとブレーキ引棒の関係がよくわかる。

B067008

●空気だめ

側ブレーキ軸受けの内側に設置され、位置関係がよくわかる。

B067007

●ピット内から前=>後位側を見る。
前後ブレーキ引棒が中心を貫いている。
制輪子釣りの状況がよくわかる。

B067003

●ピット内から後=>前位側を見る。
水平テコとシリンダーの押し棒が良くわかる。
シリンダーから空気だめの配管がブレーキ引棒をまたぐように中梁を貫通しているのが確認できる。空気だめから右(左にも)に伸びている棒が、「ゆるめ弁引き棒」である。
軸箱と軸箱守控の距離が縮まっている。
これが短軸の特徴、狭軌感である。

B067004

以上が下回りである。

次回は「ワ10000」の特徴と、「ワ12000」との差異等、考察してみたい。

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ワ10000(1)・国鉄貨車のディテール

「ワ12000」の記事も概ね出尽くしたが、考察しようと考えていたが「ワ10000」と比較すべき点が見つかったので前倒しに「ワ10000」に入りたい。

枚数も多いので2回に分けてご覧いただき、そのあとで考察に入る。
関連図面は少々時間が掛かるため、もう少しお待ちいただきたい。
お待ちかね方も折られるようであるし、とりあえずは外観からご覧いただこう。
撮影;1981/08/13、他
撮影場所;吹田貨車区、吹田第一機関区、吹田操車場駅構内

ワ10000は新製時、1段リンクで登場し、ヨンサントウを迎えて2段リンクに改造されている。
ワ10012(吹田第一機関区控車代用)
●外観、側ブレーキ(空気だめ側)2態

L013001

L013002

●外観、シリンダー側
走り装置は2段リンク改造後

L013009

●妻面
下方、外板の溶接位置が不規則なのが確認できる。
リベットも残っているため、後からの修繕ではないようだ。

L013003

●側引戸
空気だめが見える。
操重車用搭載具(アウトリガ用枕木)積載のため施錠されている。
右端にある長方形の箱状のは、忍錠である。(専用の工具を使う)
昔の家にある便所の戸締り、ねじで閉めるようなもの。
南京錠のところに通常は封印環で封印する。
ドア左側上部の4ケのリベットは、内側に馬つなぎわが設置されている。(別途解説)

L013005

●側ブレーキ2態
妻面の手すりの取り付けに注意されたい。
側面の鉄板継ぎたしは溶接であるから修繕のものだろう。
床板受けの形状が、ワ12000に比べて長いことに注意されたい。

B066001

L013004

35mm版なので少し画像が粗い。
次は下回りに移る。

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