「ワ10000まだですか?」と言われそうですが、段取りがあるのでもう少しお待ちください。
図面や写真を探しているとこのようなものがあったので、ちょっと息抜きに。
およそ10年間、貨車区の資材倉庫で在庫や入庫管理、部品の手配をしていると珍しいものが入庫してきます。
片手間なので仕事を止める訳にいかないので、自分で運搬するときは都合の良い場所で仮置きして、光の向きに合わせて参考写真を撮っています。
撮影;1981~85年頃
場所;梅田貨車区吹田派出所(旧吹田貨車区)
●自動連結器(シリコン緩衝器)
ヨ8000形式用のシリコン緩衝器です。
重いのでフォークリフトで運搬します。
小さい車体の割りに枠が大きいです。(大枠といいます)
新品ではなく工場の予備品、つまり再生したもの。
連結器の磨耗箇所、ナックルは余盛して研磨されます。
ナックルピン、座金、コッターは新品に交換されています。
このあと臨検車庫で故障該当車のものと交換し、損品として配給車に載せ工場へ返却します。
●自動連結器(首振り)
トキ25000だったと記憶していますが、緩衝器は在姿のまま連結器頭部を交換しました。
記憶は曖昧ですが、交番検査で故障が判明し、臨検車庫で後日交換したのでしょう。
裏面(下側)しか見えませんが、下作用の錠上げがあり表に返すことができません。
緩衝器とはピンで結ばれていて、交換できるよう下側からピンを挿入したように思います。
抜け落ちないよう、太いボルトとピンで固定されています。
たぶん、それほど重くないので、二人で手でパレットに乗せたと思います。
もちろん100kg近くはあるでしょう。
●連結器(廃車発生品)
ワム60000やワラ1のものと推測します。
錆びているようで意外に黒いです。
手前の緩衝器のピッチは細かく、奥側は粗く枚数が少ない。
どちらもゴム緩衝器で、手前は「RD8」、奥は「RD2」と思われます。
このほかにも一般的な「50t輪バネ式(大枠)」や、大枠にRDゴム緩衝器を取り付けた「ゴム間座」などがありました。
因みにワム3500等古い形式は、コイルバネが2重に入っているものもあります。
ここに見えるのは「強化型」しか見えませんが、「在来型」というものがありました。
ナックルピンの太さ、長さが異なり、ナックルも互換性がありません。
磨耗したものは、1mmピッチで太いものに交換することができますが、磨耗しているようでなかなかオーバーサイズのものは入りません。
ナックルピンンが抜けないものもありました。
手前右側に「白○」が見えますが、連結器高さを測る基準、ポンチマークです。
●輪軸
残念ですが、短軸はありませんでした。
ワム60000、ワラ1などの廃車の際に発生したスクラップです。
ちょっと判りにくいですが、奥側のグループの車軸中央には白線が見えます。
幅200mmの白線ですが、ヨンサントウ(43-10)以降の2段リンク車の証である、N沓面輪軸に表記されています。たいていは汚れて目立ちません。
一番手前のスポークはまだ新しいタイヤなのか、その隣のものとは直径が大きく異なります。
タイヤの磨耗で連結器高さが変わるため、軸箱と担バネの間に座板(ライナ)をはさみ調整します。座板には40mm,20mm、10mm等あったように記憶しています。
バネ座には、0,15,30,45mmがありました。(2016/09/22訂正)
●担バネ
有蓋車のものなので、13種しかありません。
判りにくいですが、でバネの「+」「-」「○」固さ(摩擦)が区別されています。
バネ高さによる公差による区分などが標記されている。(2016/09/22)
古い表記では「±」というものもあったようです。時代によってかわります。

●KCシリンダー
普段このような状態で見ることはできません。
残念ながらK制御弁は外されています。
このようのいろいろな方向から見られるのは珍しい。
今から思えばブレーキバリや引棒なども並べて撮っておくべきでした。
まだ紹介しきれないものは、このページで追記することがあります。
・ヒ600形式の車軸研磨
・トキ25000の車軸交換(ジャッキアップ)
などもご紹介したいと思います。
追記)
自動連結器のバネには上記の他、「丙種引張摩擦装置」が存在した。
担ばね標記について、筆者の重大な認識間違えがあり訂正をした。
本記事についてはこのような標記がされているという程度に止めていただきたく思う。
担バネの種類、標記については別の機会に説明する。
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