客車

2022年8月 4日 (木)

梅小路でマイテ492を撮影

 先週、ネットニュースでオヤ31(オイラン車)が京都鉄道博物館に展示される記事がありました。
同時にマイテ49が扇形庫内で見られるというので来週行こうと思っていたら、今日までだったので急遽見学した。

最後にマイテを見たのは40年前、本線復活する前だった。
マシ29も健在のころで、床下を見ようとしたが、生垣でよく見えなかった。

今回のように身近にゆっくり見られることは最後だろうと思う。

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庫内は暗く、下回りの塗装が黒く、フラッシュだと今一つよく見えない。
ポールの内側に入れないので、下に潜ることはできなかった。(昔はよく潜ってました)
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柱があり全景を納めるのは困難だった。200枚余り撮影

オヤ31も暗く全景は最新の高感度機でなければ難しい。

陰影をつけるためか、スポットライトがあったりでディテールを撮影するのは適さない。やはり屋外が良い。

1時間ほどで撮影を終え、ちょっと物足りなく、機関車の修繕庫を見るとC622の動輪が抜かれ、従台車を上から見えた。

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※以前撮影した、「D51200の従台車

案外、板厚は薄いが、板ばねが入る空間は広く感じる。畑さんに見せたかったなあ。

オヤ31の洗面所は改装されず古いタイル張りだったのがうれしかった。
もう2度と見ることはないだろうな。

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今回の成果は少なく、イメージの中の展望車、マイテとは違い、似て非なる今風のマイテになっていた。

車体は80年前のものだが、機器の大半は換装されていた。
疑問に思っていた「冷房装置」は家庭用のものと思われる室外機が2機、電源は隣の新型客車からジャンパー線で給電するのだろう。KE85

期待したほどのことはなかったが、今まで知らなかったことを新たに発見した。
それはいずれかの機会、近い将来に探ってみよう。

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2022年7月 4日 (月)

オロ61形式を描く

 気候のためかよく眠れないので図面描きも気が進まない。

数日前、ピクトリアル別冊の「鋼製1等座席車」が届いた。
過去の記事と重複するが、このシリーズになってから写真も大きく、形式写真が豊富、カラーページもよい。

「特別二等車を探る」とは内容は被らないが、本編の誤記に気づいた。
P.29、図-8、スロ51他、255=>250mmが正解です。

さて、本著ではナロ10、オロ61は除外した。

3等級制から2等級制になったのが昭和35年6月からで、ナロ10は昭和32年、オロ61は昭和34年で活躍した時期は2等級制以降が主になる。
また手元の資料写真も乏しいのと、オロ61では仕様の異なるものが多くページ数が大幅に増えてします。
まあ、こちらの都合で省いたようなものだろう。

 「鋼製1等座席車」にはオロ61の写真も多く掲載されていたので、自分の頭の整理のつもりで描いてみることにした。
形式図を見ればオハ61と大きな違いもなく、下回りは台車を除けば配置は変わらない。(スロ62では変更されている)
実際には改造後の図面はないので、オハ61をそのまま描いたが、写真と差異は見られない。
2022070401
※7/18追記; オロ61形式は950L(アルミ)水槽で登場したようです。図は間違い
 朝8時から16時まで、7時間ほど要して描けた。

スロ60の端バリを利用したのでこれは間違いである。
種車のオハ61は昭和26年以降の改定で形状は異なる。

 模型では台枠横梁は省略したが、ここまで描くと再現したくなる。
空気溜めも60形特有の細長いものに交換したい。
模型を作るのはもう少し先の話だが。

これ、補足編にも載せようかな。
さあ、今日はどうしようか。

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2022年4月17日 (日)

スロフ53を妄想する

 今回の著作で4作目で、それに合わせて毎回、車両を自作している。
2019年4月の「セキ1を探る」ではオテセ11000を自作し、
2019年12月の「ワム3500を探る」では木造のワム3500を自作した。
2020年12月の「マヤ43を探る」では、家庭の事情で自宅に戻らなければならなくなり、
工作は出来ずである。古いマロネ41の記事

 著作も一段落し、工作室へ行ってきた。
本著に少し触れているが、50年前にペーパー車体のスロフ53を作った。
これには無知もあって、丸屋根にクーラーを載せるということをしてしまった。
スロ54との混同である。

40年前にはスロ51を自作して、塗装もして形にはなっているが、物足りない。
引き出しを探ってみるとこんなものがあった。
左から、
ピノチオ製初期のスロ60、ペラペラの車体
フェニックス製か、エラー品のスロ54車体(車掌室窓が一つ多い)
自作スロ51
ピノチオ製後期スロ60(部品取りにされている)
ピノチオ製オロ61(概ね完成、部品取り)
自作は真鍮板車体で材料費は500円以下(ベンチレーターはエコー製)
2022041701

この4~5両の混成にスロフ53を繋いで急行列車を実現したいなあ。
古いオシ17を真ん中に挟んで。

 谷川製作所がなくなり、フェニックスもないだろうし真鍮板で自作しようか。
棚を探してみたが在庫はなく、近所のホームセンターに見に行ったが真鍮板は置いていない。
10年ほど前に置いていたと思うが、カラーアルミ、ステンレス板のほかは銅板くらいだった。
仕方ないしネットで注文するか。
 朝から、本著イラストを使って展開図を描いた。
2022041702
寸法は今回判明した寸法で、既存の車両とは僅かに違い段差があるだろう。
まあ、実車も個々の形式で高さがことなることが判明したし、良いだろう。
2日ほどあれば窓抜きもできる。
ちょっと時間を持て余している。

 

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2021年6月13日 (日)

特ロの疑問点

 昨年の自粛生活から、ネットで動画を見る機会が増えた。
特に古い映画を見るといろいろ疑問が出てくる。

数日前から「小津映画」をいくつか見た。
ローアングル(正確にはローポジションともいう)が特徴で、世界的にも評価が高い映画である。
細かく見ていくと、小津映画の特徴がいくつかわかった。
その話は別の機会に詳細に分析したいが、客車の話にしよう。

「彼岸花」(松竹大船撮影所)という作品で、最後に主人公が急遽、京都から広島に向かう場面である。
最後尾はナハフ「かもめ号」のバックサインが見える。当時の編成表資料ではスロ54である。
品川かどこか、予備車でロケしたのだろう。
●特ロ車内(後位側)の場面、給仕役(田中春男さん)※黒く塗りつぶし、トリミングした。
座席の背面、枕カバーが白い
(ドア上部の長方形は拡声器 給気口だと思われる 訂正;)
2021061301
●次の場面(前位側)、特ロ主人公(佐分利信さん)が着席
網戸が見える
吸気口  拡声器は左に寄っている 訂正

2021061302

1958年9月公開の映画であり、撮影はその前年か1957年と思われる。
枕部だけでなく、全面に座席カバーが装備されている。
天井には扇風機はなく、送風口と正方形の天井灯グローブである。
網棚下の座席灯から判断してスロ60と思われる。
スロ60の登場時は座席モケットは「えんじ」色で、ワイシャツに色が移るという苦情から全面カバーに変更したらしい。
ところが、モケットの色は「えんじ」色ではないように見える。

また、スロ60は冷房装置搭載の準備工事をして登場し、天井ダクトが設置されている。
天井扇が見られないのは天井ダクトから送風しているのだろうか。夏ではないからか。
とすると、車端部に送風装置、つまり凝縮器内の送風装置だけが装備されていたのだろうか。

1957年、昭和32年から近代化工事が実施されて天井ダクトの点検口は塞がれているが、送風装置は残されたのだろうか。
座席モケットも張り替えされているだろう。
この車両が近代化後だとしたら、蛍光灯化され長方形のグローブではないか。
近代化前の車両と思われる。

■疑問
(1)登場時、扇風機はなくダクトから送風していたのか(天井扇の台座は見える)
(2)モケットはえんじ色ではない
(3)近代化後はダクトは残されたのか、撤去されて天井扇に換装されたか
(4)近代化後の天井等は蛍光灯化され、グローブは長方形になったのか

冷房準備工事に関しても疑問点がある。

次回著作では、特ロの構造や疑問点を考察したい。

もうすこし勉強が必要なようだ。

2021/06/17追記
ご指摘がありましたので訂正し追記します。
妻通路ドア上の長方形は拡声器(スピーカー)が正しい
スロ54図面集より
2021061701
スロ54の前位よりは約615mm左に寄っています。
スロ60の場合、位置の違うものが見られます。
妻仕切り内部に約250mm(180mm)の奥行きがあるようです。

そもそも冷房未搭載なので給気口は必要なく、寝台車では妻部屋隅下方から、食堂車では部屋隅上部から空気を戻すようです。
マイネ41では通路ドア下部の鎧から戻していると思われます。スロ60も同様でしょう。

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2020年12月 7日 (月)

2両のマロネ41

 明け方からアクセス数が数倍になってきた。
SNSで発信していただいたおかげで、多くの方に情報が伝わったようだ。お礼申し上げます。

昨日、届いた方から感想や励ましなどありがたいお言葉をいただきました。
なかでも、一度はこの形式(マロネ41)を模型化したい方も多いようです。

 私がこの車両を記録すると同時に、自作したのは40年前で、現代の水準にはとても届かないだろう。
そんなこともあり、上回りを修正するためシンナーに漬け塗装を剥がした。
外観はきれいになったが、室内はうまく落ちない。
本来は外板から1段引っ込んで窓の押さえゴムがあるが、表現はしていなかった。塗装で表現。

ここで、真鍮線でゴムの表現を試みる。
もう1両、20年前に格安で入手した谷川製キット、床下は未着手である。
そのためには標準化が必要で、何らかの対策を考えたい。
まずは近代化されたマロネ41を来春までに仕上げたい。

左手前自作、奥谷川製マロネ41、右奥自作オシ17

2020120701

2020120702
床下はコッテリ作っているが、手直しは難しい。
実車同様に重量が重い。

屋根のハッチも作り直すか・・・。

きりがないなあ。

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2020年11月24日 (火)

旧型客車の床下機器の標準化を考える

 マヤ43形式の図面をトレースする過程で、他の形式シリーズはどうなのかとスハ32系~スハ43系までは台枠断面を描いている。
ここで今まで漠然と知っていた数値が、系列毎に少しずつ異なるのが判明している。
これについては次の著作で詳しくは考察したい。

 一番最初に真鍮製客車を自作したのは高校2年(17歳)だったと思う。
3ヶ月ほどで、
ナハネフ10、ナロハネ10、スロ51、スハ43、スハフ42、スハニ60、オハニ61
を箱状にしたが、床下機器が付いて塗装したのは10年ほど経過していた。

当時は車体断面の違いなどはしらず、一律に10系、43、60系と推測で決め、床下も組み立ての都度寸法を現物合わせにしたので、統一性はないし、市販パーツ(エコー製)などを適当に組み立てている。

後に、マロネ41、スロ62を自作、古いピノチオ製や谷川製のキットを追加したりしている。

これらの下回りだけでも新たに標準化し直し、今風のアップグレード出来ないか模索してみた。

単にスケール通り比較すると、中梁のレール面上寸法は1mmほど異なることがわかる。

2020112401

最低限、シリンダーと空気ダメを新たに作るとして図面を眺めると気づいたことがある。
オハ61系の空気ダメが細く長いことが判明した。
直径にして60mm、模型的には0.8mmほど細いわけだ。

もうひとつ、10系はシリンダーがワンサイズ細いのだ。

さてどちらに統一、収束スべきか。

そう単純には済みそうにないなあ。妥協しかないか。

そうだ、もう13mm作らないと言ってたじゃないか!!

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2020年3月 2日 (月)

客車の図面を描くー(2)

相変わらず鼻がムズムズして困る。

先週はハンバーグを作って、昨日はカレーを煮込んだ。
今日はその残りをグラタン皿にチーズをたっぷり載せてオーブンレンジで焼いた。

今までも引きこもり状態だったが、一週間ほどは籠城できそうだ。兵糧攻めだ。

外に出られないし、テレビも見ないように4日ほど図面に集中している。
内装の図面を正確に写し取ろうとすると無理があるので、余分なものは省いて平面的に3面揃える。

とりあえずは1位側洋式トイレと洗面所まで画いて立体に組み立てた。
どこまで見せるか線が重なってよくわからない。
20200302
客室、2位側洗面トイレ、休憩室とまだ先は長い。
集中できて、絶好調だ。

 

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2019年2月25日 (月)

客貨車関係資料

 工作が一段落したので図面を描いて編集しています。
もう6日間、延べ60時間ほど掛かっているでしょう。
およそ8割がた描けたので次の作業に入ります。
詳しいことは時期が来たらご紹介したいと思います。
 手持ちの資料に「客貨車関係令達類集」とよばれ、検査に必要な規則を抜粋し配布されるものです。
私が所有しているものは現役時代に廃棄予定を譲っていだいたもので、昭和36年12月の日付があり、必要のつど改定版の差し替えが行われています。
規定のなかには昭和20年代から30年代のものが多いですが、昭和一桁の通達なんかも掲載されています。

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この黒表紙はおよそ600ページほどで、趣味的に興味があるのは僅かですが、思わぬ資料が出てきます。
 偶然ですがこのようなものが出てきました。
『貨車用「担バネ」の基本負担力其の他の件』と示されている通達です。
昭5.11.18 達987

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これだけ見ても何にも参考になりませんが、図面のない部品など、基本的な寸法、数値が示されているものがあります。

2019022502

この表には各種担バネの主要数値が掲載されています。
昭和9年のものなので、いわゆる2段リンク貨車に該当するものは記載されていません。
図面がなくとも、これである程度の大きさ、反りなどが判明します。

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先般の担ばねの製作には間にあいませんでしたが、次回から活用できるものと思います。
他には、貨車用水平テコの各種寸法を示した図表がありました。
またいろいろ活用したいと思います。
来月入るまで、しばらく工作はお休みです。

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