ヒ600

シュー式軸受け(ヒ600)

 昨日に続いて半日、軸受けの削り出しを終えたが、蓋の耳、ボルト、軸受け穴の加工が残っている。報告するまでも無いので出来上がってから。

久しぶりに実車の話題を紹介したい。
模型にちょうど、シュー式軸受けをご覧いただく。
「ワム3500」のときにでもと考えていたが。
 
車号; ヒ684
撮影場所; 吹田貨車区
撮影日;1982年3月2日
 
種車は「ワム3500」か「トム」からの改造と思われる。
製作中の木造石炭車とは軸箱守の構造が異なるが、軸箱の形が良くわかる。
 現車は交番検査で「軸焼け」かメタルに傷があったのだろう。
メタル(ホワイトメタル、軸受金)の交換だけでは対応できず、臨検車庫に入り軸抜きを行い、エアーインパクトレンチにより、布やすりを巻いて車軸を研磨した。
 
通常の軸受金の交換だけなら交番検査車庫で油圧ジャッキによる打ち上げだけで交換できる。
このように軸を抜く場合は車体を片側または全体を吊り上げて軸を抜く。
片側だけだったのか、片軸のみを吊り上げた。
 
●軸受けを抜いた軸箱守

B081002

●輪軸と軸箱
B081001
●車軸ジャーナルの研磨

B081003

軸箱が木製の台(側板で作ったのか)に乗っていますが、ちょうど車軸と同じ高さで、滑らして、少し持ち上げれば入るのでしょう。
ジャーナルを傷つけないよう考えられています。
鋳鉄なので重いです。

●軸箱(6種)
蓋の上部にローマ数字で「Ⅵ」の表示があります。
上面には四角いバネ座です。
内側には底の無い四角い枠がはまって、高さを調整します。
バネ座の後ろ寄り、サイドにスリットが漏斗のようになっています。
ここに軸箱守が入ります。
後ろ側上部に一段飛び出しているのは「チリヨケ」の蓋です。
チリヨケはゴム製のパッキンで車軸ジャーナル後部のR部に嵌り、雨やごみ、油が漏れないようになっています。

B081004

メタルは持ち出して、バイスに挟んで油溝を切っている最中なんでしょう。
ここには写っていません。
軸箱の蓋、ボルトはT状のボルトを裏側から入れます。
因みに、2段リンク貨車は軸箱が左右に動きますので、スリットの片側のツバはありません。
●軸入れ
天井クレーンで打ち上げ、車軸を軸箱守にいれます。
一人がクレーンを操作し、二人が軸を受け持ちます。
メタルは軸箱の中に入って、担バネはまだです。
 車軸はテーパーがあるので細軸のようです。
2段リンクではないので、基本踏面のため、車軸の白ハチマキがありませんね。

B081005_2

●軸入れ完了
このあと担ばねを入れますが、二人がかりでも持てないので、鉄パイプで作られた専用のジグで滑りいれます。撮影していなかった。

B081006

このあと、軸受けにはマシン油(#150)をしみ込ませた「パット(枕状)」を押込んで、マシン油を数リッター入れます。
豆球と鏡の付いた専用の「軸箱点検灯」で再確認します。
構内整備係が軸箱蓋を取り付け、ボルトを閉めます。
間に馬糞紙でできたパッキンが挟まれているので、慎重に左右均等に閉めます。
片締めすると、蓋が鋳鉄製のため、耳が割れてしまいます。
 
ブレーキ引き棒を取り付け、空制試験を行います。
貨車区を出た当該車は、「吹田(操)~梅小路(操)」を往復して、常備駅に回送されます。
この車両は大阪市場駅ですね。もう今は無くなりましたが。
同様の事例は「トキ25000・輪軸交換」の項で紹介しています。
ご興味があればご覧ください。
 
もう少々時間をいただいて、ワム3500形式の話題でもお話しましょう。
 
完結

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